老後資金をどう作るか
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2023/09/21(Thu)
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50歳くらいで「将来の老後資金をどうすればいいか」というネット相談を見かけます。
資金を作るためには収入と支出の両方の管理が必要ですが、今日は収入について考えてみます。 老後資金を作る方法としては… ①公的年金を増やすために今しっかり働く ②定年退職後にバイトをする ③資産運用をする このあたりが上げられると思いますがどれがいいのでしょうか? ひとつずつ見ていきます。 まず①について。 年金を増やすために今しっかりと働くという正統派ともいえそうな考え方です。 これは、しっかり働くのだから当然しっかりと年金も増える、という努力は報われるという信仰心のもと生まれるものだと思います。それは果たして本当なのでしょうか? わたしを例に考えてみます。わたしは49歳になる直前で退職していて、去年の年金定期便によると年金予定額は168万ほどとなっています。 もし仮にわたしが60歳まで以前にいた仕事を続けていたとしたら年金額はいくらになっていたでしょうか? だいたい計算してみると168万プラス30万円程度です。 現役時代の気苦労半端ない大変な時期をあと11年頑張って30万プラスですよ。 コスパ悪すぎ。。 こんな感じなので将来の年金を増やすために今しっかりと働くという考え方は持たない方がいい。今働く理由は今現在の生活をするためと割り切った方がいいでしょう。現役時代に年収1000万円とか高収入だった人がお金を貯めることなく老後に突入して絶望するというのはそのへんが原因ではないかと想像できます。 そうです。働いても年金はあまり増えません! ②はどうでしょうか? 人生の終盤に働かなければならないのは、夏休みの終わりに宿題をたくさん残してしまう小学生みたいでちょっと…と思いますよね。 しかし!!軽くバイトでもしたら年に80万円くらいなら無理なく稼げるのではないでしょうか? ①の年金30万円を増やすためにヘトヘトになることを考えたら鼻歌を歌いながら年80万円稼げるのは全然ありだと思います。このバイトを5年程度やれれば①の生涯増加するであろう年金分とイコールくらいになりそう。 もちろん、これは高齢に差し掛かって健康状態がカギとなりますので、それをクリアできそうなら意外といいかもしれません。 そして③。 これはリタイア民が大好きな自分自身が働かない方法論となります。 これはうまく機能すると入ってくるお金の量が①や②の比ではありません。家で寝転がっていてもゼロがひとつ多いということにもなりますね。 問題はその確実性にあって、お金が増えない、または減っていくことに対して不安を感じ続けることになります。この資産運用については人によって評価が分かれるところだと思うのですが、わたしとしては自分を有利にしてくれるものだと思っているので実践しています。ちゃっちゃと稼いでしまえば一番楽ですしね。 これは自分自身が労働をしないという意味で他力本願のようにも見えますが、運用をするために勉強したのと種銭を準備したのは紛れもなく自分であって他者に頼っているわけではありません。わたしの知り合いで、それを他力とディスる人がいましたが、他力で楽しく生きられるのであれば自力で頑張る必要もないとは思います。 こんな感じで老後資金の作り方として考えてみましたが、どれも一長一短あります。 リタイア民のわたしとしては当然ながら ③を採用します(というか実践中)。次に②がきて、大きく離されて①といった具合かなと。 ③>>>>②>>>>>>>>>>>① 自分は③を実践していてうまくいっていますが、今後ヤバそうなら②をする作戦でいきます。②をするための条件となる健康を維持するために今は十分家で寝転がって英気を養っておきたいと思います。 |
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2022年の投資の結果と資産集計
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2023/01/04(Wed)
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あけましておめでとうございます。
新しい年が始まりましたので、まずはまだやってなかった昨年の資産集計をします。 今回は結果が悪いのでスルーしようかなと思っていたのですが、年の締めだけはしないわけにはいかないのでやっておきます。 まずは投資の結果から。 先進国株式の積立投資を中心に行っているので、22年はまったく冴えない成績となりました。 21年年末比 64万円のマイナス です。 他のリタイアブロガーさんと比べると投資の金額が小さいので、何百万円のマイナスという結果にはならないのですがダメダメな結果となりました。 一昨年までは円安になると株価は上がる傾向にありましたが、22年は真逆の動き方をしたため何が何だかわからない感じでした。為替の影響を受ける投資をしていると、株安+円高になるとかなりヤバイ状況に陥るのですが、今回は株安+円安になりましたので、評価額の減少幅はマイルドな感じになり救われました。 22年は一年を通してぱっとしなかったのですが、米国株を安く買えたと思うことにして今年以降に期待です。 ただ、今後の投資については積立額を減らす予定でいます。現在毎月の積立額は20万円弱なのですが、NYダウが再度35000ドルにのせてくるようなら、積立額を月10万円ちょっと程度まで減らす予定です。 理由は欲より安心を少し優先させたいからです。 ただ、著名なエコノミストが年初の相場予想で“下げる要素が満載”としているので今年は騰げるかもしれませんねw あと投資を含めた我が家の金融資産の増減について。 21年年末比 410万円のマイナス です。 もうリタイア生活の継続をあきらめざるをえません。フルタイムの正社員に戻るしかないです。うわー最悪だ! 冗談はこれくらいにして内容だけちょっと備忘録として書きとめます。 この減少理由は妻が車を買ったことが大きいです。車の支払いが220万円なのでその分のマイナスがね。。 410万円というと単年でみるとやや大きめの資産減少のようにも見えますが、わたしが想定している資産額カーブと大きく乖離しているわけではなく順調です。 65歳に向け資産を減らしていくのが正しい出口戦略と認識しているので今年もこのペースで行きたいと思います。 |
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今年の金がらみの事件について
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2022/08/28(Sun)
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最近、大阪府高槻市で資産家の女性が不審死をした事件がありました。容疑者のわかりやすいやり方もあって御用となった事件です。
被害者であるこの資産家の女性には多額の保険金がかけられていて、預貯金も1億円ほどあってそれを狙って犯行に及んだというもの。容疑者は死亡保険金を手にすることはできなかったものの、逮捕前に預貯金1億円を手にすることができたようです。 で、この1億円を手にしてこの容疑者はどうしたか? 報道で見るかぎり、東京の都心部にあるタワマンに住み、ランボルギーニを購入し・・・といった頭が良くない中学生が考えるような消費行動をしてしまったようです。 そして容疑者は御用になって長期間塀の中で暮らすことになり、カネどころか、貴重な人生の時間さえも失うことになります。 この事件で改めて感じたのは“悪銭身につかず”ということ。 凡人が悪いことをして多額のお金を手にしてしまっても、しょうもない散財をしてすぐに一文無しになってしまうということ。 これは以前に4630万円の誤送金をうけた山口県阿武町の男性とも共通しています。彼も普通の貧乏人でしたが、思いがけず4630万円という大金が目の前に現れて正しい判断ができなくなってしまいお金が残らなかったというもの。 これらの件について思うことがあります。 この2人に共通していることは、大金が入った(入るであろう)時点でソッコーで勤め先を辞めていること。 その棚ぼた的に大金が入るまでは、それなりに(まじめに?)仕事をしていたようですがカネがあれば働かなくてもいいと考えたのでしょう。彼らは退職してしまいます 。”カネがあれば働かなくていい”と考えが至る点についてはわれわれ早期リタイア組と同じ思考です。問題はその後の行動にあります。 彼らはなぜか仕事を辞めたにもかかわらず、そのお金を一気に使ってしまうという行動にでます。全部使ってどうすんねんというツッコミを入れたいところですね。 もしかすると、彼らは人生を一瞬でも楽しめれば、その後はまた働けばいいと考えたのかもしれません。 そうであれば、ある意味メリハリがついた豪快な考えの持ち主のように思わなくもないです。しかし、やったことは犯罪なので完全に間違い。 それに対してリタイア組はどうか? 手にしたお金でいかに長く楽しく生きるかを考えお金を大切に使います。 そこそこのお金を手にしたという点では同じ。しかし、なぜその後の行動に大きな違いが出るか? それはそこまでのプロセスが違うからだと思います。 リタイア組は一瞬にして大金を手に入れたわけではなく、リタイア生活に向けての取り組みであるタネ銭を貯める段階では長期間苦労をすることになります。ひたいに汗してお金の価値と特徴を知ることができたリタイアラーは、お金の大切さを痛感してそのお金が自分の幸せに最大限貢献する方法を考えます。 これをリタイアラーの価値観に当てはめると“楽しく生きるなら短くではなくて長い方がいい”なので一生しゃかりきに働くことをしないという人生の選択につながるわけです。言うまでもなく合法的にです。 人間、基礎に正しいプロセスがあるかどうかは大事だと思いました。 |
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年金はいつからもらう?
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2020/09/28(Mon)
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50歳を目前にすると、年金の話題も少し身近というか興味が湧いてきますね。
ということで、今日は年金について考えてみます。 昨年、老後2000万円問題が持ち上がりましたね。 年金だけでは足りないから、それとは別に2000万円準備しとけっていうあれです。 ただ年金の額は人それぞれ違うわけで、その受給予定額をある程度つかんでおかないと、その2000万円が1000万円になったり3000万円になったりするわけです。 あのようなことを聞くと、多くの人は2000万円の蓄財はともかく、最低でも働いて増やせる厚生年金の額を上げなければと考える人が多いと思います。 では、サラリーマンとして働いて、具体的に将来もらえる年金の額がどれだけ増えるのでしょうか? 年金だけのために働いているわけではありませんが、今回は年金額の増減だけにしぼって計算してみました。 (自分なりの試算です。この記事の内容に間違いがあっても責任は持ちません) 年収500万円の人が1年間働いて増える厚生年金額は約2万7000円です。いま50歳の人があと10年同じ年収で働くと27万円の増額です。 10年働いて増額は27万円。 みなさんはこの数字をどう思いますか? わたしとしては10年しゃかりきに働いても、たったこれだけかという印象です。 年金を増やす方法論としては長期間たくさん保険料を納めることの他にも手はあります。 その代表が年金の繰り下げ受給です。 これで年金受給総額を増やすにはそこそこ長生きすることが前提となりますが、仮に年に200万円年金をもらえる人が先ほどの27万円増額をするにはどれだけ繰り下げすれば良いか? 答えは約1年7ヵ月です。 受給スタートが1年7ヵ月遅れでもいいなら、10年間の労働分を取り戻せるということ。 効率重視のリタイアラーならこっちをとるんじゃない? 先日、年金特集のテレビ番組に出演していた社労士の先生が「わたしは年金を75歳から(繰り下げで)もらいたい」ということを言っていました。 数年後には75歳受給開始を選べるのですが、その場合の増額率はなんと84%! 65歳からもらう金額の2倍近くになります。 2倍近くというと「まじか?」となるのですが、わたしは今のところ68歳の受給開始を想定しています。まあそれは、60歳半ば頃に自分の健康状態と相談してから決めることになりますけどね。 ただ、わたしは70歳より遅くという選択肢は今のところありません。 なぜならカネは自分の人生を楽しむために使いたいから。 体が動かなくなって使い切れないカネをもらっても宝の持ち腐れでしかないという理由からです。 その考え方は人それぞれでいいのですが、自分らしく生きるために計画的に動いた方がいいかなと思います。 |
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カネは生きているうちに使え
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2020/08/01(Sat)
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先日、昔付き合いのあった友人と街でばったり出会いました。
話がはずんだので久々に食事をしようということになりお話をしてきました。 彼はわたしと同い年の49歳。いまだ独身で仕事はきちんとしているとのこと。 なんせ15年ぶりなので、いろんなお話をしましたが、その中で彼から将来のお金の心配についてのお話がありました。 自称貧乏暮らしアドバイザーのわたしとして、ここは本領発揮すべきところなので詳しく聞いてみました。 彼の支出状況を聞くと、多くの人が陥りやすい点が彼にも当てはまっていることがわかりました。 そうです。保険代、スマホ代の無駄です。特に生命保険代。 彼は現在独身、子なし。今後、チャンスがあれば結婚したいということは言っていましたが、少なくとも今、彼に万が一のことがあっても経済的に困る人は誰もいません。 ちなみに彼は数千万円ほどの金融資産を保有しているとのこと。死亡保険は必要ありませんね。 その必要がないものに、毎月1万円以上払い続けているということだったので、見直しをアドバイスしたという次第です。 ネットの家計相談でもそうですが、お金の専門家から支出面で指摘をされるのは大体が保険代かスマホ代です。とんでもない無駄遣いをしている家計でなければ、指摘はこのあたりに集約されるのでしょう。 独身、下手したら相続人もいないのに死亡保険をかけ続けているというのを見ると、見直しや解約など面倒くさいことを直視しないのが人間なんだなと感じますね。 ここまではありふれた家計相談なんですが、わたしが思うことがもうひとつあります。 それは、このように各支出項目の無駄探しも必要とは思いますが、わたしは別の視点からの無駄探しをしてはどうかということです。 たとえば、500万円の貯蓄をするために命を削る思いで頑張ってるのに、死亡時は2000万円残った、というのがよくある話。 それであれば500万円をためる必死の努力は必要なかったというわけです、結果的に。 その努力をしなかったとしても死亡時、単純に1500万円残ったということですから。 金銭的な余裕を持つことで安心感を得たい、ということはわかりますが余裕の持ちすぎには注意。 「過ぎたるは及ばざるが如し」・・・このことわざは結構ポイントを突いている、とわたしは思っています。 つまり、その使い切れなかった資産を貯めることに要した時間・苦労の無駄に着目した方がいいと思う。 この無駄がなければ、もう少し自分らしく充実して生きることができたかもしれません。 言いたいことは、カネは生きているうちに使って上手に着地しろ ということです。 それを実行するためには、将来の収支の予測をできる限り正確にして、ブレを小さくすることが絶対必要ですけどね。 もっというと、このように高齢者がたくさん貯め込んで世間にカネを回そうとしないことで日本の景気は上向かないままです。 相続税の仕組み(税率、各種優遇控除)を変え、構造を変えることで、個人にとっても国の財政にとってもいい方向に作用すると考えています。 |
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