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年金の繰上げ・繰下げの議論について
2022/04/09(Sat)
このテーマについてメディアなどで、おもしろおかしく議論されていますね。

1か月繰下げ(上げ)たら何%増える(減る)という仕組みのもと、何歳まで生きたら得をするかの議論になるのですが、“得をするか損をするか”はあくまで見通しであって、実際には自分が亡くなってからでないと どれくらい得をしたか損をしたかの結果は出ません。

亡くなった後でしか確定しないような損得のタイミングを探るよりも、もっと大事にすべきものがあるのではないでしょうか?

それを考えるために、基本の5年繰下げの70歳スタートの場合をみてみたいと思います。

70歳スタートを選択した場合は、当然70歳にならないともらえないわけですが、仮にその人が69歳で亡くなったとします。

この場合は、早くから年金を受け取った場合と比べて当然金銭的に損をすることになります。

しかし、その人にとっては70歳になるまでは年金なしでも手持ちの資金で生活ができるという計算のもと70歳スタートを決めたわけなので、特に問題はないわけです。なぜなら、その人の生活が破綻したわけではないからです。

また、結果的に年金をもらえなかったわけですが、70歳以降は割増しでもらえて思い通りの人生を送れるという未来予想図がその人の中にずっとあったわけです。
いわば安心感に包まれた幸せな人生を送っている途中で亡くなっただけ。

これは金銭面では損をしたかもしれませんが、不幸なことではないと思います。
大事なのは得をしたかどうかではなく幸せな人生を送っていたかどうかですから。

逆に繰上げ受給など、早くからもらってしまうパターンはどうでしょうか。

これは、早死にによるもらえないリスクを一定程度回避することはできますが、長生きをすればするほど低収入での生活が長く続くこととなり、将来に向けての安心感という点では繰下げに比べて劣ることになります。

考え方は人それぞれなのでいいのですが、自分はよほど生活に困窮していなければ繰上げはないかなと思います。

自分は “年金で得られるお金”というそもそも確実でないものよりも、安心感という自分にとって確実なものを手に入れておく方が良いと考えています。



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